August 21, 2005

中山可穂

中山可穂の『マラケシュ心中』を読んだ。
以前読んだ『白い薔薇の淵まで』につづいて、胸が苦しくなったり、キューっとしたり、涙が止まらなくなったり、感情が乱された。一気に読んでしまう。感情を表現するのがとてもうまい。

この中山可穂について、うまく言い当てているサイトを見つけた。
http://rubycafe.com/artcafe/archives/kaho_nakayama/reason_nakayama.php

==以下抜粋==
私が中山可穂という作家の作品に求める一番のもの。
それは、感覚の共有です。
すごく簡単に表現するなら、それは
「そうそう。こういうことあるんだよね」
というような共感。
~中略~
中山可穂の描く恋愛には、確実に私が、あるいは私の恋人が、
友達が経験した過去の感情が濃縮された形でとどまっていたりします。
そして、作家の嘆きがそこにある。
私はそういう嘆きを読みながら一緒に感じるんです。
中山可穂の描くものは、圧倒的に「痛み」「苦しみ」「悲しみ」「官能」が多くて、
そういった激しい感情の渦を、まさに追体験する感覚。
自分でも身に覚えのあるその苦しさを再確認するというか。。

けれど、中山可穂の描くものはネガティブなベクトルに傾きすぎるきらいがあって、
そういうものをかき集めると「切ない」を欲しがるひとたちの恰好の餌になって
しまったりするわけです。
手に届かないものを追い求めるのが中山可穂の描く恋愛なのだとしたら、
私はもうそろそろ卒業したいと思ってます。。
==以上抜粋==

なるほど。

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